5/4 ドリームコンサート クイックレポート!

5月4日は会場を明治大学アカデミックホールに移しての開催。

ロビーには下倉楽器自慢のマルカート各種ケースをはじめ、ヤマハ、ビュッフェ、野中貿易(バックやセルマー)のブースが皆さんをお出迎え。


Fulte Solo 荒川 洋

Fulte Solo 荒川 洋

幕開けは、新日本フィルハーモニー交響楽団首席フルート奏者である荒川洋氏のコンサート。演奏するのは《バラード(ペリロー)》《コンチェルタンテ(シャミナーデ)》《雪のひとひら(宮川彬)》のほか、自作の《ファンタジー》《ソナチネ》《海原をこえて》ほか。

優しい音色、荒川氏の思いが伝わってくる旋律、そして、愛を語り合うかのようなピアノ「宇根 美沙惠 氏」との絶妙なハーモニー。

まさに「うっとり」という言葉がぴったりの空気に会場全体が包みこまれました。

オーケストラでの首席の激務のかたわら(だって古今東西のどんな曲だってフルートはほぼ主役だからね)作曲もこなす多才な荒川氏。その芸術的センスはこの日の選曲にも表れていた。よく知られた名曲、自作、そして予想外?の編曲物(《雪の…》のことです)

その《雪のひとひら》は、「トンデモネズミ大冒険」で知られる(いや、映画「ポセイドンアドベンチャー」の原作といったほうがいいか?)ポール・ギャリコの短編をもとに宮川彬氏が作曲したもの。それを新日本フィルで演奏した荒川氏が気に入って、作曲者の許諾を得てフルートに編曲した。そんないきさつを語る荒川氏。

どの曲も気迫のこもった演奏を繰り広げる荒川氏。それぞれの曲が終わる瞬間に、心からの思いを込めた見栄の切り方がかっこいい!

素敵な伴奏で荒川氏の熱演を支えてくれたのは、宇根美沙恵さん。荒川氏の音色にぴったり寄り添うような高音は、まるでフルート二重奏を聞いていると錯覚させるかのようにやわらかだった。



荒川洋 Hiroshi Arakawa

国立音楽大学在学中に、故アラン・マリオン、イダ・リベラ女史の薦めにより、パリ国立高等音楽院に入学。1997年、同音楽院フルート科をプルミエ・プリ(第一位)で卒業。
第14回日本管打楽器コンクール入賞。1998年帰国後、小澤征爾に認められ、同年6月より新日本フィルハーモニー交響楽団フルート副首席奏者として就任後、2009年4月より同交響楽団首席フルート奏者に就任。

これまでに、1997年チェコ共和国での第6回ヤング・プラハ国際音楽祭に招待され、リサイタルや、プラハのオーケストラとの共演、2006年ヴェネツィア室内合奏団、2009年クリスティアン・アルミンク指揮、新日本フィルハーモニー交響楽団、2010年カール=ハインツ・シュッツ、クララ・アンドラーダ、森岡 有裕子(村松楽器主催公演「世界のトップ・プレーヤーによるフルートの競演」にて)、2010年渡辺香津美とシンガーソングライターのShanti(渡辺香津美スペシャル・ジャズLIVEにて)と共演、2007年より仙台クラシックフェスティバルに毎年参加。ソロ活動のみならず、川上徹(チェロ)、藤原亜美(ピアノ)と共に、室内楽アンサンブルグループ「Trio Liberte」、シンガーソングライター光田健一とのユニット「荒川 洋 + 光田 健一Doubrille(ドゥブリーユ)」を結成するなど、幅広く活動を展開。

録音にも多数参加しており、久石譲プロデュースによる鈴木理恵子(ヴァイオリン)のアルバム「Winter Garden」(2006年)、羽毛田丈史の手がけた「ジャッジ」、「ROOKIES」、「西洋骨董洋菓子店 」、「ジャッジ2」、映画「ハナミズキ」、「獣医ドリトル」のサウンドトラックへの参加や、 宮崎駿監督作品「千と千尋の神隠し」、「ハウルの動く城」、「崖の上のポニョ」の劇中音楽にも、久石譲作曲・指揮、新日本フィルハーモニー交響楽団として参加している。

CDは、林光伴奏によるデビューアルバム「花のうた~荒川洋林光フルート作品集」(2002年)、林光、江口玲など10人のピアニストとの共演によるソロアルバム「フレンチ・コンポーザーズ」【2008年・ベルウッド・レコード】(レコード芸術2009年3月号特選盤)、竹田恵子共演のCD「林光作品集 喜寿の林で」【2009年・コジマ録音】(レコード芸術2009年4月号特選盤)、シンガーソングライター光田健一との共同プロデュースによる「荒川知子|しあわせのたね」マキシシングル(2010年)、アルバム「しあわせのたね」(2011年)を発表。

2010年NHK宮川彬良出演番組「 どれみふぁワンダーランド」、2011年NHKBS1「地球テレビエルムンド」に出演。
2012年には、ギタリストMartin Fogelと共に、スウェーデンにて15回もの公演・アウトリーチ活動を行い成功を収める。2013年11月にも10回程の地方公演を予定している。
作曲活動にも力を入れており、自作品ライブを定期的に開催。

2011年クラリネット作品コンクール(日本クラリネット協会創立30周年記念事業)にて、自作品「ソナタ~モンマルトルの丘~クラリネットとピアノのための(作品66)」が第三位に入賞。

2012年より毎年、ギタリストMartin Fogelと共に、日本全国ツアー及び、スウェーデンでのアウトリーチ活動、地方公演を行い成功を収めている。

2013年 NHK-FM「現代の音楽」二週に渡り、ゲストとして出演。
上野学園大学非常勤講師。


The Dream Brass

さて、お次は金管10重奏。この日のために集結したのは、その名もザ・ドリームブラス。演奏するのは《ロンド(ムーレ)》《亡き王女のためのパヴァーヌ(ラヴェル)》《三匹の猫(ヘイゼル)》のほか、トランペット四重奏とトロンボーン四重奏。

静かに奏でるピアニッシモから大迫力のフォルティッシモまで、アンサンブルならではのハーモニーを聴かせてくれました。トロンボーン四重奏では、ジャズを演奏。アカデミーホールが一瞬にしてジャズバーへと変貌したかのような盛り上がりでした。

リーダーならびに進行役は、東京交響楽団首席トランペット奏者、佐藤友紀氏!

紅一点、素晴らしい音色でアンサンブルを支えたのは、シエナ・ウインドオーケストラの熊代 祐子さん。

いまもっとも注目されているホルン奏者、福川伸陽氏の素晴らしい音楽性&表現力がアンサンブルに大人の奥行き感を与えた。《亡き王女…》は絶品。

神奈川フィルハーモニー特別契約首席トランペット奏者の三澤徹氏は、B♭管からピッコロまで、素晴らしい音色を披露してくれた。

東京都交響楽団やエマーノン(注)ブラスクインテットで活躍する内藤知裕氏。内声部をしっかりかためる落ち着いた音楽性が素晴らしい。

佐藤氏の冴えわたるハイトーンの響き。ピッコロがうまいのはもちろんだが、C管を使って同じくらいの音域を軽々と飛翔するその音色は、まさに神業!


トランペット四重奏は、プロを目指す腕前の人は誰でも一度は演奏する《ソナチネ(シンプソン)》。舌を巻く高度なアンサンブルテクニックは、とても同じ音域の楽器だけ4本で奏でているとは思えない充実度。続くのは、実にドリームなトロンボーン四重奏団。ディキシーの名曲《タイガー・ラグ(ニック・ラ・ロッカ》を、それぞれの小技を絶妙に織り込みながら楽しく聴かせてくれた。なにが始まるかわからない…と、わくわくさせる顔ぶれだ。

実に落ち着いた風貌ながら、その輝かしい頭脳が編み出すアイディアは空前絶後にして抱腹絶倒。新日本フィルハーモニー交響楽団副首席トロンボーン奏者、山口尚人氏は、音楽性もエンターテインメント性も抜群だ。氏が率いる「マイナーズ」も必見。

その「マイナーズ」でも山口氏に負けじとばかりに惜しみなく個性豊かな表現力を爆発させる中西和泉氏は、東京フィルハーモニー交響楽団首席トロンボーン奏者!

シャープな小技をきかせて《タイガー…》を盛り上げた鳥塚心輔氏は東京交響楽団首席トロンボーン奏者。村田陽一氏率いるトゥエルブセンス(12本のトロンボーンによる先鋭ジャズ集団)などでも活躍中。

東京都交響楽団バストロンボーンの野々下興一氏。後半戦のヘイゼル作品「猫」シリーズ(アンコールでは有名な《クラーケン》が炸裂)では、すべておいしいところをもっていってくれました!


チューバの佐藤和彦氏も山口氏と同様に新日本フィルハーモニー交響楽団で活躍する首席チューバ奏者だ。この日は立奏用のスタンドを使用。


プロフィール

Trp:佐藤友紀(Tomonori SATO)

東京藝術大学卒業。
アカンサス音楽賞受賞。第16回日本管打楽器コンクール第1位。第69回、第72回日本音楽コンクール第2位。第2回リエクサ国際トランペットコンクール入選。第6回フィリップ・ジョーンズ国際コンクールトランペット部門第3位。2000年、読売新聞社主催新人演奏会に出演、小澤征爾音楽塾やPMFに参加。01年〜03年、東京藝術大学管弦楽研究部非常勤講師を務める。03年〜06年、ドイツ国立ハンブルク音楽大学に留学。これまでに岡田治久、杉木峯夫、福田善亮、E.コード、故P.ティボー、M.ヘフスの各氏に師事。

現在、東京交響楽団首席トランペット奏者、シエナ・ウインド・オーケストラ客員契約団員、東京藝術大学、洗足学園大学各非常勤講師、日本トランペット協会常任理事。

Trumpet:三澤 徹(Touru MISAWA)

東京藝術大学器楽科トランペット専攻卒業。 
杉木峯男、福田善亮、P.ティボー、M.ケイマルの各氏に師事。
97、98年、PMFに参加。99年第16回日本管打楽器コンクール第4位入賞。
01年東京藝術大学モーニング・コンサートにて藝大フィルと共演。同年東京藝術大学安宅賞受賞。
02年小澤征爾「オペラプロジェクト2」に参加。
02年よりプラハ音楽院留学。
チェコ、カルロヴィ・ヴァリ交響楽団団員としての活動と共に、チェコにてチェコフィルを始め、多くの主要管弦楽団の賛助出演、室内楽、レコーディングなどの活動を行うかたわら、ソリストとしてオーケストラと協奏曲等の共演も数多く行う。
07年帰国。

現在は神奈川フィルハーモニー管弦楽団特別契約首席トランペット奏者。

Trp:内藤 知裕(Tomohiro NAITO)

1994年東京都交響楽団に入団。1995年東京芸術大学卒業。1996年第65回日本音楽コンクール第3位。1998年E.Smith国際コンペティション入選。2002年文化庁在外研修員としてシカゴに留学。
トランペットをW.スカーレット、杉木峯夫各氏に師事。

現在、東京都交響楽団、エマーノンブラスクインテットトランペット奏者、尚美学園大学非常勤講師。

Trp:熊代 祐子(YUKO Kumashiro)

トランペットを10才より始める。
岡山県明誠学院高等学校特別芸術コースを経て、東京芸術大学に入学。
2009年に同大学を卒業し、ヤマハ新人演奏会に出演。
同年、シエナウインドオーケストラに入団。
これまでにトランペットを早坂宏明、杉木峯夫、井川明彦の各氏に、室内楽を稲川栄一、板倉駿夫の各氏に師事。
現在はシエナ・ウインド・オーケストラ楽団員として活動する他オーケストラや室内楽、ソロなど様々な分野において演奏活動を行う。


Hr:福川 伸陽(FUKUKAWA Nobuaki)

2008年、第77回日本音楽コンクール ホルン部門第1位受賞。ソリストとして、バッハ、モーツァルト、シューマン、リヒャルト・シュトラウス、ブリテン、シャブリエ、サン・サーンス、オリヴァー・ナッセン、ルース・ギップス(日本初演者)などのホルン協奏曲を小林研一郎、下野竜也、沼尻竜典、手塚幸紀、梅田俊明、藤岡幸夫らの指揮者と、日本フィルハーモニー交響楽団や東京フィルハーモニー交響楽団他と共演。また、東京オペラシティ主催のリサイタルシリーズ「B→C バッハからコンテンポラリーへ」などのホルンリサイタルや「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」をはじめとする室内楽コンサートにも多数出演し、サントリーホール、東京文化会館、東京オペラシティ、東京国際フォーラム、津田ホール、札幌コンサートホールKitara、大阪NHKホールなど、全国各地で演奏している。

リサイタルや室内楽、協奏曲の演奏は、NHK、テレビ朝日、NHK-BSやNHK-FMをはじめ、ドイツ、イタリアなどでも放送されている。「ホルンのレパートリーの拡大」をライフワークとして、作曲家への委嘱活動や、珍しい室内楽の紹介を積極的に行っている。そのため、日本初演や世界初演も数多く、吉松隆作曲「Spiral Bird Suite」、藤倉大作曲「PoyoPoyo」は、福川伸陽のために書かれた。

オーケストラ奏者としては、20歳で日本フィルハーモニー交響楽団に入団し、首席奏者として重責を担う。小澤征爾、ヴァレリー・ゲルギエフ、ヘルベルト・ブロムシュテットなどの世界的指揮者との共演も数多い。2013年よりNHK交響楽団団員。ホルンを丸山勉、故田中正大、ブルーノ・シュナイダーの各氏に師事。

2006年、財団法人アフィニス文化財団の海外研修員として、一年間イギリスへ留学。デヴィッド・パイアット(ロンドン交響楽団首席奏者)、ジョナサン・リプトン(ロンドン交響楽団)の両氏のもとで研鑽を積み、ロンドン交響楽団にも客演した。洗足学園音楽大学、フェリス女学院大学、昭和音楽大学の非常勤講師として、後進の指導にもあたっている。

2010年 キングレコードよりソロCD「Rhapsody in Horn」リリース。2013年4月にリリースした「ラプソディ・イン・ホルン 弐」は「レコード芸術」(音楽之友社)で特選盤に選ばれた。


Trb:鳥塚 心輔(Shinsuke TORIZUKA)

1978年横浜生まれ
13歳よりジャズオーケストラにてトロンボーンを始める。
2001年東京藝術大学卒業。
2003年同大学院修士課程修了。
2003年東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団入団。
2006年東京交響楽団に首席奏者として移籍。

第3回トロンボーン・コンペティション第2位受賞。第6回日本クラシック音楽コンクール審査員特別賞受賞。第8回同コンクール第3位入賞。2003年コンセールマロニエ21優秀賞受賞。

現在、東京交響楽団首席トロンボーン奏者。 東京アトラクティヴ・ブラス、村田陽一12sense、トロンボーンデュオ2bo[n]esメンバー。

Trb:中西 和泉(Izumi NAKANISHI)

東京芸術大学卒業。1997年度東京文化会館新進音楽家デビューコンサート出演。

トロンボーンを栗田雅勝氏に師事。(現在東京フィルハーモニー交響楽団首席奏者。聖徳大学音楽学部兼任講師。)

 


Trb:山口尚人(やまぐちひさと)

佐賀県出身、東京芸術大学卒業。
東京シティフィルハーモニック管弦楽団を経て、現在新日本フィルハーモニー交響楽団副首席トロンボーン奏者。
またズーラシアンブラスのメンバーとしても活動している。

作編曲家としてはズーラシアンブラスのほか、新日本フィル・名古屋フィル・東京佼成ウインドオーケストラなどにも提供している。

BassTrb:野々下 興一(Koichi NONOSHITA)

東京都交響楽団バストロンボーン奏者。
1975年東京都生まれ。
洗足学園大学卒業。
大学在学中よりフリーランスのバストロンボーン奏者としての活動を開始し、
日本各地のオーケストラ、室内楽やスタジオレコーディング等での演奏活動を行う。
第一回大阪トロンボーンコンペティション アンサンブル部門最高位入賞。
バストロンボーンを秋山鴻市に師事。昭和音楽大学講師。

東京メトロポリタントロンボーンカルテット、侍ブラス、TrioDiesel各メンバー。

Tuba:佐藤和彦(Kazuhiko SATO)

国立音楽大学卒業。
第5回フィリップ・ジョーンズ国際コンクール(仏)テューバ部門第3位受賞。
第43回マルクノイキルヒェン国際コンクール(独)テューバ部門第2位受賞。
東京オペラシティリサイタルシリーズ「B→C」にてソロリサイタルを開催。
ソリストとして、新日本フィルハーモニー交響楽団、ミュールーズ交響楽団、プラウエン=ツヴィッカウ・フィルハーモニー管弦楽団等と共演。
これまでにテューバを稲川榮一、柏田良典の両氏に師事。
現在、新日本フィルハーモニー交響楽団 首席テューバ奏者。
ジャパン・テューバ・ソロイスツ、ズーラシアンブラス、如月四重奏団、各メンバー。
国立音楽大学、くらしき作陽大学、作陽音楽短期大学、尚美ミュージックカレッジ専門学校ディプロマコース、各講師。

日本ユーフォニアム・テューバ協会常任理事。

会場MAP


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